真っ赤な看板が目印の辛うまラーメンで有名な『蒙古タンメン 中本』。
【東京】上板橋本店・西池袋店・東池袋店・新宿店・渋谷店・目黒店・高田馬場店・御徒町店・錦糸町店・吉祥寺店・町田店・立川店・秋津店(13店舗)
【埼玉】 大宮店・草加店・川越店(3店舗)
【神奈川】 横浜店・川崎店・橋本店(3店舗)
【千葉】千葉店・柏店・市川店(3店舗)
【群馬】高崎店(1店舗)
国内に23店舗を展開する人気のラーメン屋です。
今回は、そんな人気ラーメン屋 『蒙古タンメン中本』 の歴史や二代目当主・白根誠が語る「辛うまラーメン」への熱い想いや中本の復活に至る経緯についてご紹介していきます。
もともとは蒙古タンメン中本のファンだった
蒙古タンメン中本との出会い
白根さんと蒙古タンメン中本( 当時の名前は中国料理中本 )の出会いは今から40年前に遡ります。
当時20歳の白根さんはある日、風邪を引いていました。そんな時に「辛くて美味いラーメンを食べれば、風邪なんて一発で治るよ!」 と友達に連れられて行ったのが中本さんとの出会いです。
店内にはエアコンもなく、特にきれいな訳でもなく、町の中華料理屋さんって感じだったそうだ。しかし、お客さんが多かったので「まぁ、美味しいだろう」ぐらいの感じで考えていたようです。
当時、辛いものが得意ではなかった白根さんがレベル10まであるメニューの中から選んだのはレベル3の「味噌タンメン」だったが、あまりの辛さに「食べ物じゃねぇぇぇぇぇー」と思ったようです。
3回目の来店で辛さの中にある旨味を見つける
初回は友達に騙された感じがして、外で口論になったそうです(笑)
それから少し経った頃に、また友達に誘われたそうです。その時には白根さんも「いいね~」なんて乗り気でした。
実は1回目はこれ程の辛さだと思っていなかったので「出鼻を挫かれた」のだと自分に言い聞かせ、相手を知っている状態で2度目の戦いに挑んだ。
・・・・・しかし2回目も前回同じ「味噌タンメン」を注文するも辛さに負けて敗北。
3回目の訪問は白根さんから友達を誘いました。
もちろん3回目も注文するメニューは「味噌タンメン」である。
そして3回目の戦いでスープまで飲み干し完全勝利したのです。もうお分かりだと思いますが、白根さんは3回目の挑戦で辛さの奥にある旨味に辿り着いたのです。
これこそが蒙古タンメン中本(中国料理中本)が持つ中毒性なのだ。
バランスが重要
「辛さの中に旨味とコクが無ければ、辛さは痛いだけ」であり、「うまい」と「辛い」の両方ともバランスが良くないといけないという。
3回目でその旨味に気付いた白根さんはそこから中本の味の虜になってしまう。
そこから20年ほど通い続ける
すっかり蒙古タンメン中本の魅力にはまってしまった白根さんは、ほぼ毎日のように中本に通っていました。この頃になるとドップリハマり過ぎて、1日2食(昼飯・晩飯)を中本で食べていた事もあったそうです。
最初の5~6年は辛さレベル3の「味噌タンメン」をずっと食べていたが、ほぼ毎日食べていると体が辛さに慣れてくるそうだ。そこで辛さレベルを徐々に上げていき、遂には全メニュー制覇したのだ。
この生活を19歳~39歳までの約20年間続けました。
この時点で中本は白根さんの人生の一部となっていたようです。(No Nakamoto , No Life)
まさかの閉店!
そんなある日、中本の熱烈な常連客の中である噂が広がりました。
それは「中国料理中本の閉店」である。
あくまで噂だと信じていた白根さんの想いとは裏腹に、1968年に東京都板橋区でオープンした「中国料理中本」は1998年に幕を下ろしたのです。
20年間通い続け、人生の一部と化していた中本の突然の閉店は白根さんにどれほどの衝撃を与えたのだろうか?
中本の味を継がせて欲しいと懇願するが・・・・・
20年間通い続けた中国料理中本の閉店により、東京中の辛いと評判のラーメン屋を巡るが中本に代わるラーメン屋には出会えなかった。
辛さは中本以上のお店もあったそうだが、肝心の辛さの奥にある旨味が全くないのだ。
あの辛さと旨味の絶妙なバランスを保つラーメンを食べるには中本を継ぐしかないと決心し、白根さんは中本さんに電話して「中本を継がして下さい」と申し出るが、あっさりと断られてしまいます。
断られた理由はラーメンを作ったことが無い、お店の経営をしたことが無いからだそうですが、後になって白根さんが「本当はラーメン屋の苦労(仕込みなど)が大変なので、やらせたくなかったのだと思う」と告白しました。朝は早く、夜は遅いラーメン屋の仕込みは想像以上に大変なのだ。
その当時から中本は人気店でフランチャイズの話や常連客からの復活を望む声も多数あったのだが、先代の中本さんは全て断っていたそうです。なので白根さんだけを特別扱いはできすに断ったのだろう。
一緒に酒を飲む事に・・・・・
何度断られても諦めなかった白根さんは「店を継ぐのではなく、もう一度ラーメンを食べさせて下さい」とお願いするが、「あんたの分だけを作る訳にもいかないよ」と断られてしまいました。
その時に内心「ケチだな~」と思っていたそうです(笑)
この時点で白根さんは中本を食べなくなって4か月ほど経ち中本禁断症状が出ていた時期だった。このままお願いしても埒が明かないので、1回話を変えようと考えました。
「継ぐのは一先ず置いといて、その代わりにラーメン屋の話を聞かせて下さい」と頼み込んだら「いいよ、酒を飲みに行こう」となり、中本さんと酒を酌み交わす仲に発展しました。
仲良くなって少し経ってから、もう一度中本を継がせてもらえないか頼み込みました。
その際に「う~ん、ちょっと考えてみる」と今までとは違う答えが返ってきたのです。
念願の 『 蒙古タンメン中本』がオープン
暫く考えた後に中本さんから許可を頂き、白根さんが2代目として中本を継ぐことになったのです。
「中国料理中本」の閉店から約1年半後に「蒙古タンメン中本」と名前を変え、2000年に復活しました。
オープン当日には50メートルに及ぶ大行列ができていて、この日を待ち望んでいたコアなファンの中には泣いている人もいたそうだ。驚くことにこの大行列が朝から晩まで続いたのだ。
この蒙古タンメン中本の復活には白根さんの諦めない行動があったからで、中本が食べられなくなって嘆いていたファンは「あなたがいなければ、もう二度と中本を食べることが出来なかった」と白根さんに感謝していたようです。
蒙古タンメン中本はオープンしたのですが、ラーメン屋の経験がない白根さんの修業はオープンから1年半ほど続きました。
中本の味とブランドを守る
白根さんの長かった修業が終わり、お店を任せられるようになった時には蒙古タンメン中本の人気は凄い事になっていました。
しかし先代の中本さんが白根さんにしたように「中本の味とブランドを守るため」に無理なチェーン展開やフランチャイズ契約はせずに、自分たちで出来る事だけをしているそうです。
そんな最中、先代の中本さんが2014年に亡くなってしまいます。
中国料理中本が閉店した時に白根さんが粘り強く頼み込んだからこそ今でも中本の味とブラントを引き継いだ現在の「蒙古タンメン中本」が食べられるのです。
もしもあの時、白根さんが諦めていたら「蒙古タンメン中本」を食べられなかったのです。
蒙古タンメン中本のラーメンとは?
「蒙古タンメン中本」のラーメンの特徴は大量の一味唐辛子を加えた激辛スープと太い麺です。
ただ辛いだけのラーメンと違い、旨味とコクと辛さのバランスが絶妙です。辛さの中にしっかりとした旨味があるから中毒者続出になってしまうのです。
しかし辛いものが苦手な人、家族連れでも子供に食べさせることができる辛くないメニューも用意されています。
辛さの目安は10段階で表示されています。
初めて中本を食べる人は看板メニューである「蒙古タンメン」がオススメです。
ラーメンメニュー
辛さレベル:塩タンメン
炒めた野菜がたっぷり入ったヘルシーで辛くない塩味のタンメン
辛さレベル🔥🔥🔥: 味噌タンメン
お肉と野菜が入ったピリ辛レベルの味噌タンメン
辛さレベル🔥🔥🔥🔥🔥: 蒙古タンメン
味噌タンメンの上に辛子麻婆豆腐がのった看板メニュー
辛さレベル🔥🔥🔥🔥🔥🔥: 五目蒙古タンメン
蒙古タンメンの辛さが物足りず、かといって味噌卵麺はキツイという方には程よい辛さだと思われる
辛さレベル🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥: 味噌卵麺、蒙古卵麺、五目味噌タンメン
辛さレベル8になると激辛好きでないと厳しいレベルです
辛さレベル🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥: 北極ラーメン
熱々の激辛スープ、辛さを極めた味噌ラーメン
辛さレベル🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥: 北極ラーメン 辛さ2~10倍
正気の沙汰とは思えないレベル
冷やしメニュー
辛さレベル0: 冷やし醤油タンメン
辛くない野菜たっぷりの醤油味のつけ麺
辛さレベル🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥: 冷やし五目味噌タンメン
味噌タンメンのスープと冷し味噌ラーメンのスープを合わせたダブルスープのつけ麺
辛さレベル🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥: 冷やし五目蒙古タンメン
冷し五目味噌タンメンに辛子麻婆を加え辛さとコクをアップしたつけ麺
辛さレベル🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥: 冷やし味噌ラーメン
つけ麺タイプは冷たい麺なので、スープが熱くても体感的にはそこまで辛くは感じない、辛さレベル8と同レベル程度
ご飯メニュー
辛さレベル🔥🔥🔥🔥:定食
辛子麻婆と小ライスのお得なセット
辛さレベル🔥🔥🔥🔥🔥:蒙古丼
蒙古タンメンの具がそのままごはんにのっています
辛さレベル🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥:樺太丼
蒙古丼をさらに辛くした丼
辛さレベル🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥:冷味丼
凶悪な辛さを誇り、その辛さは北極ラーメン、冷やし味噌ラーメンを凌ぐと言われている
カップラーメンも発売中!
蒙古タンメン中本は関東を中心に店舗を構えているので県外の方は気軽に行くことができません。
ですが中本のカップラーメンがあるので、その味を堪能することができます。
セブン&アイ・ホールディングスのプライベートブランドでセブンイレブンやイトーヨーカドーで購入できます。ちなみに製造は日清食品が行っております。
多くの人に食べてもらえるようにと店舗で食べるラーメンより辛さは抑えてあり、別添の辛みオイルで自分好みの辛さに調節できるので、あまり辛い物が得意でない方は辛みオイルを少しだけ入れて食べて下さい。
野菜もしっかり入っているので旨味や甘みも味わえます。中本らしさが表現された完成度の高い一杯だと思います。
蒙古タンメン中卒
カップラーメンが発売されてから全国に「蒙古タンメン中本」の名前が知れ渡りました。
しかし名前を間違っている読んでいる人がいるようです。
それは「蒙古タンメン中卒」です(笑)
まぁ中本の「本」を行書体にすると「卒」に見えてしまいますが・・・・・。
私もYouTubeで観て吹き出してしまったので、一応載せておきます。
ぷろたんさん、「中卒」ではなく「中本」です(笑)
まとめ
白根さんの熱い想いがあったからこそ、今でも蒙古タンメン中本が食べられるのです。辛さの奥にある旨味を感じたい方は『 蒙古タンメン中本』へ訪れてみてはいかがでしょうか。
初めて訪れる方は看板メニューである辛さレベル5の「蒙古タンメン」がオススメです。
それを食べて辛さの奥にある旨味を見つけられたら、そこから「辛さと旨味のバランス」という果てしない長い旅が始まるでしょう。